お客様・・・「3ヶ月前にカラーしたけど、綺麗なままでしょ?」
私・・・「そうですね、退色してるけど美味しそうなチェスナッツ色ですね」
お客様・・・「私の髪はいつも、染めたては良いけど、すぐ色が取れて明るくなってしまう。でも今回は良い感じです」
私・・・「良かったです」
お客様・・・「何年ぶりに染めたけど薬が良くなっているんですね」
私・・・「・・・」
お客様・・・「・・・」
私・・・「ちょっと違うんですよ。2%で染めてますから明度がキープされているんです」
お客様・・・「・・・」
私・・・「カラーは基本的に、明度と色味のバランスなんですね」
お客様・・・「・・・」
私・・・「8トーンが希望でも、10トーンに明度を上げて8トーンの色味を入れたら、染めたては綺麗ですけど、退色してくると明度が10トーンになって髪色が明るく色抜け状態になるんです」
お客様・・・「・・・」
私・・・「お客様の髪は、元々明るくてフライングしているんで明度は上がりやすいんですね。だから、オキシを6%使っちゃダメなんです」
お客様・・・「オキシって何ですか?」
私・・・「過酸化水素水です。美容室にはメーカーが2%、4%、6%、アルカリキャンセルと用意されているんですが、実はこのオキシの使い方を美容学校でも教えてくれないんですよ。。。」
お客様・・・「そうなんですか?」
私・・・「メーカーも、オキシを使いこなしちゃうと髪のダメージが軽減されるので教えたがらないですね」
お客様・・・「なぜです?」
私・・・「カラーと同時にトリートメント売りたいからです。仕入れが増えて売上げが伸びます。。。」
お客様・・・「ひどい。。。」
私・・・「だから、トリートメントの講習は良くやります。PPTを入れてコラーゲンがどうとか、、、。」
お客様・・・「・・・」
私・・・「経営者も6%だと少しの使用量で染めることができるし、トリートメント勧めて売上げ伸ばしたいからオキシの勉強はさせたがらないですね」
お客様・・・「・・・」
私・・・「使用量少ないと、1人分で2人染めれますしね。。。」
お客様・・・「ひどい。。。」
私・・・「で、トリートメント勧めて売上げアップですね」
お客様・・・「ひどい。。。」
私・・・「だから、ハイトーン意外に染める時以外は、カラーの時にセットのようにトリートメントを勧めてくる美容室は要注意だと思います」
お客様・・・「そうなんですね」
私・・・「トリートメント勧めてるのに断って “カラーだけで良いです。” って言ったらどうなると思います?」
お客様・・・「わかりません」
私・・・「言うことを聞かないお客には、必要以上に髪を傷め、言うこと聞かないから傷んだんですよ。。。みたくなる場合もあるでしょうね。。。」
お客様・・・「ひどい。。。」
私・・・「美容師も、心からカラーの時にトリートメントしないと傷んじゃうって思い込んでいる人も多いんで悪気はないんですよ」
お客様・・・「・・・」
私・・・「美容師は、自分のお客様に喜んでもらいたい。と皆思っていますから。じゃなければ美容師なんかやりませんよ」
お客様・・・「でも、、、。」
私・・・「元々、傷んでいない髪を染めて傷めるわけだから、必要最小限のパワーで染めれば傷みを実感しないですむんですけどね」
お客様・・・「・・・」
私・・・「髪が傷んだって実感ありますか?」
お客様・・・「ないです」
私・・・「ですよね。2%ですもん」
お客様・・・「・・・」
私・・・「数年前に、 『私は毎月18000円のスペシャルコースで染めているので、同じようなコースでお願いします』 ってお客様が来られてね」
お客様・・・「すごい」
私・・・「そのスペシャルコースで染めるようになって何回くらいですか?て聞いたんですよ」
お客様・・・「はい」
私・・・「3年近くだって言われたんですね」
お客様・・・「・・・」
私・・・「3年も染めてれば、30センチは間違いなくスペシャルコースのカラーな訳ですよ」
お客様・・・「ですよね」
私・・・「傷んでるんです。。。」
お客様・・・「えぇ、、、。」
私・・・「・・・」
お客様・・・「・・・」
私・・・「髪傷んでいますよね?って聞いたんです」
お客様・・・「はい」
私・・・「だから、スペシャルコースで染めているんだ!って言われるんです」
お客様・・・「・・・」
私・・・「変だと思いません?」
お客様・・・「・・・」
私・・・「・・・」
お客様・・・「・・・」
私・・・「いつまでスペシャルコースで染め続ければ綺麗な髪になるんでしょうか?」
お客様・・・「ですね」
私・・・「6%で染めて、後から炭酸やPPTやらpHの後処理したってダメなんですよ。髪質判断して2%、もしくはアルカリキャンセルと混ぜるなりしてダメージの軽減を先にやらないと、、、。」
お客様・・・「予防ですね?」
私・・・「そうそう、元気な髪を病気にして治療するより、元気な髪をできるだけ病気にしないように染める薬剤調整が先で、それでも傷みを実感したらトリートメントが順当だと思います」