「この髪型を、自分が切ったのか?」
数か月前に自分が担当したお客様の髪型を見て、最近そんな事を思うことがちょこちょこある。
その髪型は不思議なことに何も変哲のないスタイルだ。
ハサミを入れると絶妙なバランスが壊れそうで、どこから切り始めるか迷ってしまう
昨年、好成績でヒットを打ちまくっていたのに今年は全然打てない野球選手も、
「昨年の俺は、どうやって打っていたんだっけ」と、
職種は違うけど、そんなことも有るんだろうな。と思ってしまう
恐る恐る、前回の髪型を壊さないように伸びた分だけを少しづつトレースしていく
有難いことに、美容師歴のお陰で(毎日切り続けること)きっちりトレースできている。
19才で、スタイリストデビューした当時の私の目標は、
・ 10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代~80代まで、すべての年代の人の髪を切れる美容師になること。
・ ベリーショートからロングヘアーまで、苦手がない美容師になること。
・ キュート、カジュアル、ロック、フォーマル、エレガント、アバンギャルドなど、すべてのジャンルの髪型をつくれる美容師なること。
を目標にしていた。
ほぼ、その目標は達成している気がする。
ただし最近、前回の自分の残した仕事を超えるどころか、トレースする事が精一杯な自分に危機感と疑問を感じる。
これが老いる。ということなのか?
もしくは、この先にまだまだ見ていない世界が待っているのか?
後者であってほしいと願ってやまない。
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